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認可でさらに強まった安倍首相への疑惑 加計追及は野党連携課題か
2017年12月4日11:36AM
文部科学省の大学設置・学校法人審議会の11月9日の答申を受け、林芳正文科相は14日、「答申を尊重。国家戦略特区の構想に沿っていることも確認した」として加計学園獣医学部新設(愛媛県今治市)を認可した。しかし特区構想に合致しない全国最低レベルの獣医学部であることは明白。国立大学の教員対学生の比がおよそ「1対1」であるのに対し、加計学園獣医学部は教員75人に対して学生140人(うち20人が留学生枠)で約「1対1・9」。1人の教員が2倍近い学生を教える新獣医学部が既存大学以下の水準となるのは確実で、特区構想の前提条件である“石破4条件”を満たすはずがないことは明らかだ。
15日の衆院文科委員会で立憲民主党の逢坂誠二衆院議員(森友・加計学園問題調査チーム座長)はこの石破4条件クリアの根拠を問い質したが、長坂康正・内閣府大臣政務官は答弁に詰まり、具体的回答が返ってこなかった。「入口の段階で破綻している」と逢坂氏が批判したのはこのためだ。
今回の認可で来年4月以降、私学助成金などの税金が投入されるが、「加計孝太郎理事長からの接待の見返りに設置認可の利益供与をしたのではないか」という安倍晋三首相の贈収賄疑惑はさらに強まった。維新の会の足立康史衆院議員は「首相の周りに犯罪者がいる」として石破・元地方創生大臣や、獣医団体から献金を受けていた玉木雄一郎・希望の党代表や福山哲郎・立憲民主党幹事長に追及の矛先を向けて“援護射撃”したが、「国家戦略特区」座長だった首相こそが犯罪者の疑いがあるのだ。
【民進・立民などPT動く】
政権補完勢力ぶりを露わにした維新とは違って、立憲民主党や希望の党や民進党は疑惑調査PT(プロジェクトチーム)を設置して会合を重ねる中で、首相の疑惑幕引きを狙う安倍政権の隠蔽体質が5日の民進党PTで鮮明になった。残留した参院議員と無所属で当選した衆院議員(党籍は民進)が参加した会合で、神本美恵子参院議員は11月10日のTBS「NEWS23」が放送した重要発言「加計学園が認可されるのは“忸怩たる思い”がある」(設置審議会専門委員)や、「加計学園獣医学部の学生数が他大学と比べて多すぎる。(加計学園の)教員数では足りない」(北海道大学の稲葉睦教授)を紹介した後、「文科省の役人が審議会で『訴訟リスク』に触れたことが認可を後押ししたのではないか」「どういう流れで訴訟リスク発言が出たのか。議事録をすべて公開してほしい」と求めたが、「議事要旨だけ公開する」と文科省は拒否。押し問答が続いたのだ。小西洋之参院議員が「当然、録音しているはずだから全文公開できるはずだ」と迫ったが、それでも録音しているのか否かさえ答えず、全文公開を約束しなかった。
篠原孝衆院議員は、日本が海外に比べて家畜1頭当たりの獣医師が多く、かつペットも減少傾向にあることから国際的に過剰な獣医師数をさらに増やすと警告した。
白眞勲参院議員は、韓国での留学生募集が「(獣医師は)日本の会社員の2~3倍の高収入」とうたっていることを紹介。安倍首相の友人の教育ビジネスの実態を暴露した。舟山康江参院議員も設置審議会で出た問題点を列挙しながら、認可を疑問視。最後に、分裂前の民進党PTの共同座長だった桜井充参院議員が「臨時国会後も会合を開き徹底的に追及していく」と意気込んだ。
一方、立憲民主のPTは衆院議員主体で会合を重ね、共同代表選や小池百合子代表辞任で混乱が続く希望も出遅れ気味ながら、今井雅人衆院議員が中心メンバーのPTを立ちあげて活動開始。情報共有や国会質問内容の調整など野党連携が課題だが、「小池代表辞任で希望と民進と立憲民主で連携しやすくなるだろう」(桜井氏)。
ただ希望は小池氏が代表だった時代に政権補完勢力の維新と選挙協力、国会審議でも協力関係を続けるのか否かが焦点。玉木新執行部が安倍政権擁護の維新と決別して“脱小池路線”に転換宣言するのかが注目されるのだ。
(横田一・ジャーナリスト、11月24日号)
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