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森友疑惑で当時の近畿財務局長を刑事告発 「値引き自体が問題」
2017年12月14日10:20AM
そもそも値引きしたこと自体が問題だ──「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」有志は11月22日、学校法人森友学園(大阪市)に8億円超値引きして国有地を売却した当時の美並義人・財務省近畿財務局長を背任罪に当たるとして東京地検に刑事告発した。同日は会計検査院が「(値引きの)根拠が不十分」などとする報告書を国会に提出したが、告発内容はより根本的な問題を提起する形だ。
この国有地は、「教育勅語」を園児に暗唱させる幼稚園として安倍晋三首相の妻・昭恵氏が共感し名誉校長を務めていた小学校の建設用地とされた。告発状によると、美並近畿財務局長は2016年6月20日、「森友学園の経済的利益または自己の身分上の利益を図る目的のもと、時価評価額9億5600万円から、不要な地下埋設物撤去費用8億1900万円」を値引きし1億3400万円で大阪府豊中市内の国有地を売却する売買契約を締結。「国に金8億1900万円相当の損害を与えた」としている。また、2件の判例(神戸地裁1984年9月20日、東京地裁92年10月28日)を示し、「本件国有地の埋設物が土地の『瑕疵』に当たらないことが明瞭」とした。
告発後に会見した代理人の澤藤統一郎弁護士は「そもそもこの国有地には建設に支障をきたすような地下埋設物はなかった。かりにあったとしても、値引きするような瑕疵には当たらない。これが告発の要点」と説明。「市民の会」の醍醐聰・東京大学名誉教授は「会計検査院は本質からずれた検査をしている」と批判。元NHKディレクターの根本仁さんは「事実を平然と否定する安倍政治が未来の子どもたちに与える影響」を懸念し、児童文学作家の佐々木江利子さんは「安くしてもらった方(籠池夫妻)が捕まり、安くした方はいいの? それは私たちの財産。問わなくなったら許したことになる」と告発した思いを述べた。
(片岡伸行・編集部、12月1日号)