“無農薬”をうたう
植物工場の野菜から
基準値の17倍の農薬が検出!
植田武智|2017年12月15日1:05PM
近ごろ台頭してきた植物工場。農薬の類を使わなくても栽培できるのがウリのひとつですが、そうした植物工場製野菜から農薬が検出。それも基準値の17倍! ですってよ。
植物工場とは
無農薬をうたう植物工場の野菜から、残留農薬基準を17倍も超える殺虫剤が検出され、自主回収となった。農薬が検出されたのは、三菱ケミカルが神奈川県小田原にある自社工場で製造しているベビーリーフで「キュアリーフ」という名称で販売されているもの。
植物工場とは、施設内で温度、光、炭酸ガス、養液などの環境条件を管理しながら植物を栽培するシステムのこと。天候に左右されず、また外界と遮断されているため病原菌や害虫の心配がないことで、農薬を使用せず、清浄かつ安全性の高い野菜生産が可能とされている。
現に、三菱ケミカルの「キュアリーフ」も、農薬不使用ということを売りにしていた。そうした植物工場の野菜からなぜ農薬が検出されたのか?
三菱ケミカルによる2017年10月27日付のプレスリリースでは、殺虫剤が残留した経緯について以下のように説明している。
「本年6月からピレトリンを主成分とする除虫用薬剤を用いていましたが、室内の除虫が目的であり農薬取締法に定める『農薬』に該当しないこと、試験使用時には栽培から充填までの工程を経た製品でピレトリンが検出されなかったこと、から出荷時の検査は不要と判断していました。
今般、出荷サンプルを分析したところ17ppmのピレトリンを検出し、改めて確認したところ、食品衛生法の対象物質(基準値1ppm)であることが判明しました」