コウモリ党と創価学会をかばう佐藤優へ
佐高信|2018年3月17日4:56PM
あなたは2月3日付の『琉球新報』で、名護市長選の争点は明白に辺野古新基地だと言っています。ならば、それに反対する稲嶺進を見捨て、実質賛成の渡具知武豊を推薦した公明党ならぬコウモリ党をかばうのは筋が通らないのではありませんか。公明党はモリカケ問題のキーパーソン、佐川宣寿(現国税庁長官)の国会招致にも応じていません。池田大作が亡くなった場合の相続税の問題で、とりわけ財務省とはケンカしたくないからでしょうか。
あなたは松岡幹夫との共著『創価学会を語る』(第三文明社)で、こう言っています。
「安保法制の問題は、反対派が言うほど重大な問題ではないと私は思います。この程度のことで公明党・創価学会から離れていく人は、それだけの人ですよ。むしろ今は、『本当の味方かどうか?』を見極めるいい機会と言えるかもしれません」
また、鳥肌の立つ、こんな発言もしています。
「創価学会の人たちと話をしていて感じるのは、皆さんが『戦争のできない体になっている』ということです(笑)。つまり、平和主義が体の芯にまでしみ渡っていて、さまざまな立場の学会員がどこでどんな行動をとっても、無意識のうちに平和の方向に進んでしまうようになっているのです」
この二つの指摘を重ね合わせると、「平和主義が体の芯にまでしみ渡ってい」ない創価学会員が安保法制に反対したということになりますね。
「この程度のこと」に私も懸命に反対しましたから、あなたにとって私は「本当の味方」ではない敵だということでしょう。
状況適応型ではなく状況便乗型の政党
私からは公明党は自民党の“下駄の雪”を続けてきて、完全に与党ボケしているとしか思えませんが、代表の山口那津男との共著『いま、公明党が考えていること』(潮新書)で、あなたは、
「私はよく沖縄に出かけるわけですが、沖縄の離島はどこに行っても公明党の地方組織がよく整っています。実は沖縄の離島政策においては、公明党が非常に大きな影響を行使できるのです。母が久米島出身の私としては、公明党の沖縄政策にはおおいに期待しています」と語っていますが、「公明党の沖縄政策」は軍事基地容認から始まるわけですね。
また、あなたは『創価学会と平和主義』(朝日新書)で、鈴木宗男が国会に戻って衆議院外務委員長になった時、公明党の赤松正雄が、
「あのとき(鈴木宗男疑惑のとき)、大変失礼な言い方でございますが、たたき上げの鈴木宗男代議士は、自分自身をたたかれる人ではなくて、周りをたたかれてのし上がってこられた方だというふうな言い方をしてしまいましたけれども、その後の、御自身の法廷闘争だけではなくて、外務省との闘い、さまざまな面で教えられるところが多い。
また、佐藤優さんとそれから鈴木宗男代議士の何といいますか例えようもない友情というか、そういうものを、さまざまな著作を通じて、一生懸命読ませていただいて、教えられるところが多い、このように申し上げさせていただきまして、回答は要りませんので、私の感想とさせていただきます」
と発言したことを引き、これは「創価学会や公明党のもつ、組織の文化」から出たものであり、「失ってほしくない価値観」だと指摘しています。
私には、コウモリ党の代議士らしい状況適応型、いや、状況便乗型の発言としか見えませんが、あなたは感心しています。
いずれにせよ、コウモリを応援し続けるあなたの頭の中ではマルクスと池田大作は同じように偉大なのですね。
(さたか まこと・『週刊金曜日』編集委員、2018年3月2日号)