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東京大空襲の朝鮮人犠牲者追悼会 朝鮮総聯への銃撃事件糾弾も

山口祐二郎|2018年3月23日5:20PM

追悼会で生々しい体験談を語った李沂碩氏。3月3日、東京・墨田区。(撮影/山口祐二郎)

3月3日、東京都墨田区にある都立横網町公園内の東京都慰霊堂で、東京大空襲73周年朝鮮人犠牲者追悼会が行なわれた。慰霊堂には、東京大空襲により被害に遭った朝鮮人犠牲者の遺骨が納められている。米軍の無差別爆撃によって奪われた命は10万人。その中には朝鮮半島出身者も多く含まれていた。推定1万人を超える死者と4万人を超える負傷者がいたとされている。

まず最初に、参会者全員で朝鮮人犠牲者に対し黙祷を捧げた。続いて実際、東京大空襲に遭遇した在日コリアンである李沂碩氏が、「真っ赤に燃える火の粉が雪のように降ってきた。煙にやられ、喉が痛く目が開けられなかった。解放後も、朝鮮人なので日本人の子どもから苛められた」と生々しい体験談を語った。立憲民主党所属の初鹿明博衆議院議員も出席し、「過去の歴史的事実が変わることはないので、先の大戦時に我が国が朝鮮半島の方々に何を行なってきたかを調査し、検証をしなければならない。東京大空襲のみならず、この大戦で犠牲になったすべての方々へ哀悼の言葉を述べさせて頂く」と話した。最後に、主催者の西澤清氏が、謝辞とともに追悼会を始めた東京朝鮮人強制連行真相調査団事務局長の李一満氏が死去したことを報告し、2月23日未明に右翼活動家2人が起こした朝鮮総聯銃撃事件を糾弾。「平昌オリンピックでの対話と統一の動きを重く受け止めたい。対話が生み出す平和の力を信じ、慰霊堂にご遺族が来られる機会を作り上げ、ご遺骨とともに故郷に帰られることを願う」と締めくくった。

現在、日本政府は米国追従の政策から、北朝鮮への圧力を強めている。日朝間のさまざまな懸案進展の兆しは見えない状況だ。私たちは朝鮮人犠牲者の想いに耳をすませ、二度とこのような悲劇を繰り返さぬよう、圧力より交渉をしていくことが必要ではないだろうか。

(山口祐二郎・フリーライター、2018年3月9日号)

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