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【南北首脳会談緊急企画】
金正恩・トランプ会談次第で
朝鮮半島は激変する
李東埼(リ トンギ)ジャーナリスト|2018年4月26日12:40PM
2018年に入ってから朝鮮半島情勢は劇的に動いている。4月27日には南北首脳会談。そして5月には史上初の朝米首脳会談も予定されている。
南北および朝米首脳間で一定の非核化が合意され、休戦協定が見直しされて朝鮮戦争が終結すれば、朝鮮半島の緊張状態は大きく変わる。
一方で日本は蚊帳の外である。
朝鮮の内在論理を知る在日コリアン・ジャーナリストの分析を紹介しよう。
プーチンはベタぼめ
昨2017年の1年間、朝鮮半島の情勢はあわや核戦争の一歩手前かと思わせるほどの緊張状態だった。
だが、今年に入って平昌(ピョンチャン)冬季五輪大会を契機に急転換し、東アジアに政治的地殻変動が起きている。南北和解と協力の流れは止めようがなくなった。4月末に南北首脳会談、5月中に史上初の朝米首脳会談が開かれる。まさに奔流のような展開だ。
情勢の主導者は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長だ。金正恩委員長は新年の辞で「国家核武力の完成」を宣言し、「米国は決して私とわが国家に対して戦争を仕掛けてくることができません」と述べた。
タス通信によれば1月11日、ロシアのプーチン大統領は国内記者懇談会で次のように述べたと言う。
「私は金正恩委員長が断然今回の勝負(朝米核対決)で勝ったと考える。彼は自らの戦略的課題を解決した。核を持ち、敵の領土の全地点に到達しうる1万3000キロメートルのグローバル射程ロケットも持っている。いまや朝鮮の指導者は状況を整理し、鎮めようとしている。彼は全面的に素養のある、成熟した政治家である」
金正恩委員長は戦争抑止力と、朝鮮民族同士の大団結を強化することで全民族的力量を固めつつ、それを背景にして外交戦に打って出た。
外交戦では中国、ロシアとの絆を回復、強化して後方固めをしてい
る。
トランプの顔も立てる
報復打撃を恐れて、戦争を仕掛けられなくなった米国がとる道は二つある。
一つは制裁と圧迫の継続、もう一つは対話による平和的解決。金正恩委員長が非核化を唱えたので、トランプ大統領も対話に応じる名分を得ることができた。
ついで金正恩委員長は中国を電撃訪問し、習近平主席と会談した。朝中間には核問題のほかにこれといった対立はない。金正恩委員長が非核化を唱えた以上、対立点はなくなったわけだ。
かつて、朝中は互いに「血で結ばれた仲」とよびあっていた。
西側のマスコミはその意味を、朝鮮戦争で中国が助けてやったことを指すとしているが、これは一知半解である。朝中間の友誼は抗日戦争、戦後の国共内戦、朝鮮戦争、この三つの戦争での共同闘争を指している。両国人民の友好親善関係は深い。今後はロシアとの関係強化も図られよう。日本が制裁と圧力を唱えるばかりだと、誰にも相手にされず置いていかれるだろう。