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【南北首脳会談緊急企画】
韓国統一部元長官が語る北朝鮮の非核化、平和構築
韓元常|2018年4月27日12:17AM
平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックを契機に、北朝鮮の対話ムードが加速している。金正恩朝鮮労働党委員長は3月26日、中国を訪問して習近平主席と会談した。4月27日には韓国・文在寅大統領との首脳会談が開催され、またトランプ大統領との米朝首脳会談も予定されている。朝鮮半島の戦争終結と平和構築のための歴史的な合意がなされるのか。盧武鉉政権時に韓国統一部長官として南北首脳会談の準備を企画総括した李在禎(イ・ジェジョン)氏に話を聞いた。
――4月27日に南北首脳会談が開催されます。その意義は?
今回、開催される南北首脳会談は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が1月1日の「新年の辞」で明らかにし、平昌五輪期間中に直接特使を派遣して文在寅(ムン・ジェイン)大統領と協議し、その後、文在寅大統領の特使が金正恩委員長を訪問して確定した。この過程で南北は米朝首脳会談を推進することにした。文在寅大統領は米国に特使を派遣し、トランプ大統領に米朝首脳会談に向けた金正恩委員長の意志を伝えた。それをトランプ大統領が電撃的に受け入れたことで、今年の首脳会談開催が発表された。その意味で最も重要な意義は、韓国・北朝鮮・米国の3者が、同時に意志を持って首脳会談を開催することで合意したということだ。
また、南北首脳会談が板門店「平和の家」で開かれることも非常に重要な意味を持っている。「平和の家」は南(韓国)の地であり、施設である。金正恩委員長が軍事境界線を越えて南にくる、最初の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の最高指導者になるということだ。
――予想される議題は?
今回の南北首脳会談は大きな枠組みでの対話となるだろう。朝鮮半島の非核化、米朝外交関係の正常化と北朝鮮体制への積極的な支援、朝鮮半島の平和構築が議題の中心にある。過去数年間、北朝鮮が核実験とミサイル発射を行なうたびに、国際社会は国連安全保障理事会で強力な制裁決議をしてきた。とくに最近、米国は北朝鮮に対してあらゆる手段を動員し、最も強力な経済制裁による圧力を加えてきた。今回の首脳会談では、まず、金正恩委員長が韓国特使を通じて明らかにした「非核化の原則」と、それを推進するための基本的な原則を議論することになるだろう。非核化の原則と行程については、すでに1994年の「ジュネーブ合意」から2005年の6カ国協議での「9・19共同声明」まで数多くの合意と履行の過程があった。今回の会談では、北朝鮮の核兵器とミサイル開発の全面的な廃棄の問題とともに、北朝鮮と米国の外交的な正常化を通して、北朝鮮の体制をいかに保証していくか、ということが話し合われるだろう。それは同時に、終戦宣言と朝鮮半島の恒久的な平和を実現するための、平和体制に関する議論でもある