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【南北首脳会談緊急企画】
韓国統一部元長官が語る北朝鮮の非核化、平和構築

韓元常|2018年4月27日12:17AM

北が核開発する目的

――統一部長官当時と今の南北関係はどのように変わりましたか。

当時、北朝鮮の核実験(06年10月)後、劇的に南北関係が改善され、1年後に第2回南北首脳会談(07年10月)が実現したが、その過程では、6カ国協議が南北対話と並行して行なわれており、南北対話の改善に重要な役割を果たした。ところが、過去10年間、南北関係は最悪の状態に陥り、国際社会は、北朝鮮に対して制裁と圧力の一辺倒であった。6カ国協議も米朝対話もすべて断絶された。しかし、文在寅大統領の積極的で一貫した南北対話の提案と金正恩委員長の決断により、南北首脳会談のみならず、米朝首脳会談までその見通しが示された。朝鮮半島問題は、今も過去も、南北が強固な関係を築いた時、解決の道が開かれるということだ。

 

2007年10月4日に開催された金正日総書記(当時、左)と盧武鉉大統領(当時)による南北首脳会談。李在禎元長官(後ろ中央)も同行している(提供/李在禎氏)

――南北の今後の課題は?

国際社会が主張するように、北朝鮮の核兵器は「完全、検証可能かつ不可逆的な廃棄」の段階までいかなければならないと考える。ところが、北朝鮮が核兵器を開発する目的は、今年1月1日の金正恩委員長の「新年の辞」に非常によく現れている。結局、北朝鮮が核兵器を開発するのは、北朝鮮政権の安定維持と安全保障を担保するための手段、というのだ。そして、北朝鮮の目的は、米朝関係の正常化にある。もしそうであれば、北朝鮮が核開発することは、韓国を攻撃したり、米国を攻撃するためではなく、むしろ北朝鮮の主権を確保するため、北朝鮮政権を維持するためといった安全保障の上での意味合いが強い。そのような点で、北朝鮮の核兵器問題を解決するということは、結局、米朝関係の正常化と北朝鮮の体制の確保と言えるのではないか。

 

3月に韓国特使団が北朝鮮を訪問した際の金正恩委員長の発言、また、共同発表文によれば、北朝鮮への制裁と圧力が解消され、北朝鮮政権の尊重がなされれば、核兵器を持つ必要がないということだ。それが先代の遺訓という立場を確認することになるだろう。

 

――文在寅大統領が米朝会談を仲介したことをどう見ますか。

私たちは、韓米同盟関係の中で、朝鮮半島の安全を守ってきた。南北対話も、韓米関係の堅固な土台の上に可能である。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、当時の南北首脳会談を準備しながら、私たちが国際社会よりも半歩後ろを行くことが正しいという原則を打ち出した。実際に、6カ国協議で北朝鮮の核問題を解決するための様々な具体的な議論が進展するに伴い、「2・13合意」がなし遂げられたわけだが、その時には南北閣僚級会談も開催可能だった。また、「10・3合意」直後には、南北は首脳会談で「10・4宣言」に署名した。こうして見ると、6カ国協議と南北会談はお互いに影響を与え合いながら進展してきたと言える。

 

2000年の南北首脳会談も米朝最高位級会談とかみ合って開催されたということも注目すべきである。朝鮮半島問題は南北会談だけで解決できる問題ではない。ここに、米朝会談や米中会談、6カ国協議が交わることで成功することができる。したがって、南北首脳会談は、米朝首脳会談と一緒に行なわれることで成功することができると言えよう

 

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