第一生命が海外石炭火力発電に投資しない理由
平井康嗣|2018年5月21日6:54AM
5月9日、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは< 緊急声明:第一生命の海外石炭火力発電プロジェクトファイナンス撤退決定を環境NGOが歓迎 ~日本の金融機関として初>を他の国際環境NGOらと連名で発表した。
<第一生命保険ホールディングスが、海外石炭火力発電事業へのプロジェクトファイナンスに新規融資しない方針を決定した。私どもが把握している限り、日本の金融機関として初の石炭関連事業からの融資撤退方針の策定であり、先進的な取り組みとして歓迎の意を表したい。
ただ、新たな石炭火力発電の建設支援は、気候変動の国際合意であるパリ協定の目標と整合性がないことは科学的に明らかであり、国内の石炭火力発電事業を除外することは理解しがたい。国内事業へのプロジェクトファイナンスについても、同様に撤退するべきである。
また、欧州の大手生命保険会社のアクサやアリアンツは、石炭火力発電事業の大規模な増設に関与している企業の株式投資・融資の撤退も進めていることから、今後、投融資方針の対象拡大を期待したい。
先日、日本生命も同様の検討を進めていると報道されたが、今回の第一生命の動きを受けて、さらに3大金融グループを始めとする他の日本の金融機関も、国内外の石炭火力発電事業/関連企業からの投融資撤退方針の策定に向けた取り組みを積極的に進めていくべきである。>
- グリーンピースの声明
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2018/pr20180509/
そこで、第一生命ホールディングス株式会社(以下、第一生命)に詳しい理由を聞くことにした。第一生命は2010年には東証一部に上場しており、2015年には戦後初めて通期の保険料等収入で不動の首位であった日本生命を抜いたこともある。
広報部からは電子メールで次のような回答が来た。