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米国カジノ王に媚びた安倍首相
強行採決に野党反発
横田一|2018年7月2日11:38AM
犯罪を経済成長の道具に使っていいのか――。刑法で禁じられている賭博を合法化するのかと野党から批判が噴出する「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案」が6月15日、衆院内閣委員会で強行採決、自民・公明・維新の賛成多数で可決された。
外国人観光客増加を掲げていたのに「日本人の利用者が7割から8割」(誘致自治体の試算)で、「ギャンブル依存症患者を増やし、日本の国富が海外カジノ業者に流出する」という懸念に政府は答えないまま、わずか18時間の審議で打ち切った。安倍政権は7月8日まで会期を延長し、今国会で成立させる方針だが、野党は徹底抗戦の構えで終盤国会最大の対決法案となるのは必至だ。
6月12日の野党国会議員の記者会見で、塩川鉄也衆議院議員(共産党)は今回の法案の本質を「カジノ業者のためのカジノ業法」と指摘。カジノ面積の絶対値を外したことやIR内での貸付が可能になったことなどを挙げながら、トランプ大統領の大口献金者のカジノ王こと「ラスベガス・サンズ」のアデルソン会長と安倍晋三首相の関係をこう説明した。「最初にトランプ大統領に会った日米首脳会談に先立つ朝食会でアデルソン会長と面識を持ち、その場でIR推進法を成立させたことを報告しているのが安倍首相です」。
国際的経営コンサルタントの大前研一氏も同意見で、「安倍首相はトランプ氏の完全なるしもべだ」(『週刊ポスト』2017年1月27日号)と題し、アデルソン会長と安倍晋三首相の面談に触れながら「アメリカべったりの土下座外交、朝貢外交」と批判した。同会長は「極右の親イスラエル派でトランプ支持者」とされるユダヤ系米国人。どうやら外国人観光客増は口実で、米国カジノ業者に日本人の国富を献上するため、甘い規制の賭博場を解禁する“売国的法案”というのが実態のようだ。
(横田一・ジャーナリスト、2018年6月22日号)