安倍退陣求め、平日夜にも600人が国会へ
「嘘の塗り重ねに未来なし」
薄井崇友|2018年7月3日10:28AM
「嘘をつくな! まともに答えろ!ちゃんと責任とれ!」――。2万7000人が安倍晋三内閣の総辞職を求めた「国会前大行動」からわずか4日後の6月14日、東京・永田町の衆議院第二議員会館前に再び怒りの声が響いた。
主催したのは「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」。森友学園・加計学園疑惑を徹底追及し安倍内閣の即刻退陣を求める有志600人(主催者発表)が平日の木曜日に結集した。
午後6時半、司会を務めた土井登美江さん(総がかり行動)が、「12日に米朝会談が成功した。この平和の流れを強くしていくには東アジアの民衆が連帯し、私たちが平和の風を大きくしていくことだ」と訴え、抗議行動がスタート。まず、主催者を代表し、日本体育大学教授で法律家の清水雅彦さんが「私たちが毎週木曜に集まる、国会の外からの抗議が安倍政権の暴走の歯止めになっている。今後も参加者を増やし声を集めよう」とあいさつした。
続いて、共産党の辰巳孝太郎参議院議員が「財務省が6月4日に公表した調査報告書は、佐川宣寿・前国税庁長官の今年3月27日の証人喚問が偽証罪に問われないよう、佐川氏の証言を追認するようになっている」と、財務省が反省どころか、まだ隠蔽を続けようとしている点を指摘。立憲民主党の長尾秀樹衆議院議員は「部下に責任を押しつけ、真相を隠蔽し幕引きしようとしている。麻生太郎財務大臣はわずか170万円の返納で続投なんてあり得ない」と批判した。社民党の福島みずほ参議院議員も「安倍総理を守るために周りの人たちが嘘をつかなければいけない状況になっている。どこまで他人に嘘をつかせ改竄をすれば気がすむんだ。嘘の塗り重ねに未来はない」と痛烈に批判した。
「安保法制に反対する学者の会」の西谷修さん(立教大学特任教授)は「政府は国民が最低限の賃金を得られるようしなくてはいけないが、そうなってはいない。この政治のやり方の典型が『働き方改革』と称する(残業代踏み倒しの)高度プロフェッショナル制度だ。国は法人の利益のためにわれわれをすりつぶし、過労死してもかまわない体制にしている。こんな政治はあってはいけない」と述べた。
午後8時の閉会に至るまで途中で帰る参加者の姿はなく、怒りと熱気に包まれる中、市民団体からも多くの人が声を上げた。
「立憲主義を回復し安保法制の廃止を求める東京14区市民連合」の菊池純子さんは「短期的には安倍政権の早期退陣を、中期的には来年の統一地方選挙と参議院議員選挙に向け、地方の力を蓄えて中央政府にモノを言うための活動を」と述べ、市民一人ひとり、草の根の力でこの国を変えていくことが必要だと訴えていた。
(薄井崇友・フォトジャーナリスト、2018年6月22日号)