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「個人タクシー」協同組合で雇い止め 
女性3人労組結成で白紙に戻す

須田光照|2018年8月10日11:22AM

撤回を勝ち取った後の組合員3人と東部労組本部のスタッフら。(提供/東京東部労組)

東京・葛飾の個人タクシー運転手でつくる東京都個人タクシー協同組合葛飾第二支部(池上精一支部長)で雇用されている女性の事務職員3人が、雇い止めの撤回などを求めて労働組合を結成。7月11日に労組結成を使用者に申し入れ、その場での団体交渉で雇い止めの撤回を勝ち取った。

3人が作ったのは「全国一般東京東部労組個人タクシー協同組合葛飾第二職員支部」(佐藤さなえ執行委員長)。最大の要求は、3人のうち定年後の再雇用として働いている白浜典子さんが7月4日に池上支部長から通告された8月15日での雇い止めの撤回だった。しかし他にも、賃金不払い、パワハラ、有給休暇が法定通りに付与されない、労働条件の不利益変更といった多くの問題を抱えていたため、職員3人が個人で加盟できる地域合同労組の東京東部労組に加入し、労組結成につながった。

労組結成申し入れでは、東部労組本部スタッフらが同席し、組合員3人が、事務所で池上支部長や他の常務理事らに対し、労働組合結成通知と12項目にわたる要求書を読み上げて全員で拍手した。

そのまま最初の団体交渉になり、雇い止め撤回を中心に協議。使用者側は当初、経営状況の悪化を理由に撤回を認めようとしなかったが、組合員3人は「高年齢者雇用安定法で少なくとも65歳までは安定した雇用を保障しなければならないはずだ」「経営悪化と言いながら新たに職員を採用しているではないか」「職員の声に耳を傾けない場合にはストライキを行なうことも辞さない」と迫った。

その結果、8月15日での雇い止め通告を白紙に戻すことを約束する確認書を労使で署名することができた。白浜さんは「もう自分は辞めるしかないのかと思って一度は職場の荷物をまとめていたが、あきらめずに労働組合を作って良かった」と話している。

(須田光照・全国一般東京東部労組書記長、2018年7月27日号)

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