国民投票法、テレビCMの規制作りを
超党派で議連発足へ
2018年8月24日11:30AM
「国民投票に向けたテレビCMは、同じ時間の枠に同じ量だけ流す。民放連(日本民間放送連盟)は、そうしたルール作りに向けて汗を流していただきたい」(船田元・自民党衆院議員)
識者らでつくる「国民投票のルール改善を考え求める会」が7月25日に東京都内で会合を開き、超党派の国会議員連盟を早期に立ち上げることで合意した。国民投票法では賛否を問うテレビCMに規制がないため、資金力のある側が大量に放映できる。会は議連発足を通じて、これら国民投票ルールの問題点の改善をめざす。
民放連はこの間、「放送の不偏不党」を理由に国民投票CMの規制には慎重な姿勢を示している。「(国民投票法成立時に)民放連は『自主ルールをつくりたい』と明言したが、いまだ作られていない状態」(船田氏)だ。
会を取りまとめるジャーナリストの今井一氏は「(発足する)議連と民放連が意見を交わすことに期待。このままでは民放連は動かない」と述べ、国民投票ルールの改善に向け議連が積極的な役割を果たす必要を訴えた。
議連に参加を予定するのは、船田氏のほかに参院議員の桜井充氏(国民民主党)、杉尾秀哉氏(立憲民主党)、真山勇一氏(無所属)。
会合では、杉尾氏が英国の国民投票での事例について「テレビCMが厳しく規制され、(同一時間の同量放送が)完全にフェアネスだ」と報告。「一部の議員が民放連のルール作りに圧力をかけた、と取られないように」(桜井氏)と、慎重な対応を求める声も上がった。会は9月にも議連と民放連との懇談の場を設けたい考え。
同日は会合に先立ち、ドキュメンタリー映画『憲法9条・国民投票』(宮本正樹監督)の試写会が行なわれた。9条改憲をめぐり、市民14人が2日間の議論を経てどう考え、結論を導き出すかが見所の作品だ。
(本誌取材班、2018年8月3日号)