再春館にも賞金「中抜き」疑惑浮上 元監督不正行為と同様か
週刊金曜日オンライン取材班|2018年9月10日2:44PM
ドモホルンリンクルのCMで知られる再春館製薬所(熊本県上益城郡、西川正明社長)が同社バドミントン部元監督の今井彰宏氏(現・岐阜トリッキーパンダース所属)の金銭疑惑を告発し、それに対し今井氏が同社から受けたパワハラを訴えていた実態は本誌オンラインが5月に報じた。(https://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2018/05/02/online/)
ここへきて、再春館製薬所にも金銭疑惑が存在することが関係者への取材でわかった。本題に入る前に、簡単に経緯を振り返っておこう。
今井氏の金銭問題については今年4月以降、再春館製薬所も有力スポンサーであるフジテレビのワイドショーなどで一時、大きく騒がれた。同社バドミントン部には世界ランキング1位にもなった山口茜選手が現在も在籍する。同じく今井氏が手塩にかけてきた「フクヒロ」と呼ばれる福島由紀選手、廣田彩花選手のペアは現在世界ランキング1位で、山口選手とともに8月のアジア大会では団体で金、個人でもそれぞれ銅メダルを獲得した。
しかし「フクヒロ」ペアはこの4月に再春館製薬所バドミントン部を去り、5月に岐阜トリッキーパンダースに移籍している。昨年監督を解任され、今年2月に再春館製薬所を辞めた今井氏のもとで指導を受ける道を選んだのだ。
再春館製薬所が日本バドミントン協会に今井氏の金銭疑惑を告発したのは今年4月のこと。熊本県バドミントン協会は5月、今井氏に永久追放処分を下すとともに熊本県警に詐欺容疑で刑事告訴した。除名処分や刑事告訴の理由となった今井氏の金銭疑惑とは、2015年、今井氏が熊本県バドミントン協会に役員である地位を利用して、選手が海外遠征で獲得した報奨金の一部を自身の銀行口座に振り込ませて使い込んだとされるもの。今井氏側は完全な事実誤認として、9月7日に日本スポーツ仲裁機構に仲裁申し立てをしている。