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川崎で「イスラエル軍事見本市」
ソフトバンクは市民の抗議でスポンサー降りる
成澤宗男|2018年9月21日11:54AM
神奈川県川崎市の公共文化・スポーツ施設「とどろきアリーナ」で8月29日と30日の両日、抗議の声を無視し、パレスチナ人の殺害に加担している軍事企業らが出展した「イスラエル防衛・国土安全保障エキスポ」(ISDEF)の開催が強行された。初日の29日には会場前に約200人の市民が詰めかけ、中止を求めてシュプレヒコールをあげた。
今回の開催にあたり、川崎市の福田紀彦市長は、「大規模イベント等の安全対策のブース出展で、問題はない」と主張。だが「川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会」は市に対して、「(イスラエルの)監視などの技術もまた、殺傷や抑圧を目的とする軍事システムの一角」だとして、「パレスチナ人の命と引き替えに開発された血塗られた技術 ・機材の売り込みの場という本質は変わりません」と、ISDEFへの会場使用許可を取り消すよう求める4631筆の署名を提出した。なお、ソフトバンクは役員のISDEFでのプレゼンテーションを予定していたが市民側の抗議で中止し、ゴールドスポンサーも降りた。
このISDEFはイスラエル国内で7回開催され、海外では日本はロシアに次いで2番目。2020年開催予定の東京オリンピックを念頭に、イスラエルが「技術力」を誇る「セキュリティ」関連機器の売り込みを図ろうとしているのは明確だ。
福田市長は8月2日の記者会見で、市が施設の使用許可を出したことに対する批判について「しっかり説明させていただきたい」と述べたが、イスラエルの「安全対策」の機器が2000年以降だけでも数千人のパレスチナ人を殺害した軍事行動と一体となって開発されてきた事実については沈黙し、ISDEFの出展企業の情報公開すら拒んでいる。
抗議行動を主催した前掲会の杉原浩司氏は、「福田市長は、イスラエルのパレスチナ人虐殺をどう思っているのか。イスラエルはオリンピックで『セキュリティ機器』の売り込みを図っているが、今後は阻止の運動を広めたい」と話している。
(成澤宗男・編集部、2018年9月7日号)