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安倍首相3選に官邸前で多数の抗議 
「過剰警備」に反発も

薄井崇友|2018年10月4日9:57AM

首相官邸前で抗議する人たち。参加者の数に比べて、車道側(左側)や歩道内などに配備された警官の姿が異様に多かった。(撮影/薄井崇友)

「外国に1500億円を出して、大地震の北海道に5億円なんてフザケルナ! 道民1人当たり100円じゃ、子どもの駄賃だろ!」

「自民党の党則を勝手に変えて、3選OKにして、総裁選に出るなんてフザケルナ! お前が辞めるまで抗議を続ける。覚悟しろ!」 被災者に冷たい災害救援のあり方や、「安倍3選」を批判する声が響いた。

自民党総裁選の結果が出る6日前の9月14日夜、東京・永田町の首相官邸前で開かれた集会は、安倍晋三首相への怒りに満ちた抗議で始まった。安倍政権の継続はあり得ないと、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)アカウント「怒りの可視化」や「未来のための公共」などで「#0914首相官邸前に押しかけよう」と拡散し、市民有志が集まった。

【安倍改憲の阻止を】

マイクを握った作家で法政大学教授の中沢けいさんは「安倍さんは即刻退陣するべきだ。自民党の二階俊博幹事長が総裁選の結果は出ていると言った。これは総裁選が出来レースと言ったのも同じで正当性を疑う。政治家は街頭で市民の表情を見て民意を知るものだが、街頭演説ができない首相・総裁を初めて見た。そして、これまでの災害対応での失態は数えきれない。もっと早く対応していれば助かった命もあったはずだ。もう、首相に向いていないとしか言いようがない」などと指摘した上で、「こんな首相も自民党総裁もいまだかつていない。こういう人が行政の長でいいのか。警察や自衛隊のトップでいいのか。恥知らずとしか言えない」と酷評した。

小雨となった終盤には、大学生らがマイクを握り、総裁選後に予想される「安倍改憲」の問題点を指摘。憲法改悪は絶対に阻止しなくてはいけないと訴え、「憲法守れ」「安倍晋三は今すぐヤメロ」と声を響かせた。

40代の女性は「嘘・欺瞞・横暴・強行採決の安倍政権は“政治災害”だ。継続だなんて信じられない」と怒りも露わに話した。60代の男性も「9条改憲は不要だと言っていた岸田文雄政調会長が、安倍首相にすり寄り、総裁選に出なかった。自民党ではだめなんだ。9条をしっかり守れる政権が必要だ」と話した。

参加者らと警官隊の揉み合いもあった。警察が会場近隣の地下鉄駅の出入口2カ所と歩道を封鎖し、集会に来た人たちを足止めしたからだ。幾重にも隊列を組み、参加者の通行を妨げる警官隊に向けて「道空けろ!」の連呼のなか「総裁選を前に安倍政権に忖度か、恥を知れ」などの怒号が飛んだ。歩道には余裕があり、どう見ても過剰警備だった。

(薄井崇友・フォトジャーナリスト、2018年9月21日号)

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