ヘイト街宣に市民がカウンター行動
メディアに苦言も 水戸市
崎山勝功|2018年12月11日11:18AM
排外主義を掲げる自称政治団体「日本第一党」の茨城・群馬・栃木3県の地方本部が主催する街頭宣伝活動が11月24日、茨城県水戸市のJR水戸駅南口で催され、ツイッターでの呼び掛けで集まった市民有志が「ヘイトスピーチ、許さない。」の横断幕を掲げるカウンター行動と、市民に向けて外国人差別防止グッズを配る啓発活動を行なった。
現場では、茨城県警機動隊員など約80人の警察官や「差別扇動街宣にNO」などのプラカードを持ったカウンター参加者たち約40人に包囲される形で、同団体の原田陽子・茨城県本部長ら同団体の会員10人前後が演説した。
同団体は「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠・前会長が党首を務め、原田氏は同県那珂市議補選(12月2日告示、9日投開票)に同団体推薦候補で立候補の予定(注)。同団体による地方議会選挙のテストケースとなる。
カウンター行動に参加した同県大洗町の男性(49歳)は「私の地元も外国人がいっぱい働いている」と述べた上で「本来は賃金を上げれば日本人が来る。筋としては賃金を上げるべきだが、賃金を上げずに外国人を働かせようとしている。経営者には都合がいい」と、労働環境を改善しない経営者の問題には触れずに外国人労働者を攻撃する同団体の姿勢を批判した。
茨城県出身の有名人には、大相撲の大関・髙安や声優の中島愛さんなど、外国にルーツを持つ人がおり、通行人からは「髙安にけんかを売っているのか」と、冷ややかな反応があった。
カウンター参加者の40代男性は、地元紙『茨城新聞』や全国紙各社の記者が取材に来ていない件に触れ「茨城駐在の記者は問題意識が低い」と批判し、「報道することが日本第一党の宣伝につながるのではないか」という「事なかれ主義」からの脱却を訴えた。
(崎山勝功・「NEWSつくば」ライター、2018年11月30日号)
※編注:原田陽子氏は、立候補者6名中、5位で落選。(12月10日追記)