インド・「女人禁制」寺院、女性参拝めぐり暴動
小林智香子|2019年1月23日3:16PM
インドで「女人禁制」の歴史があるヒンズー教寺院に女性が参拝したことで反対する信者らによる暴動が発生。約5800人が逮捕され、1人が死亡したと地元報道各社が1月7日までに伝えた。
ケララ州にあるサバリマラ寺院は成長の神で禁欲主義者のアイヤッパを祀っており、月経年齢(10~50歳)の女性はアイヤッパを誘惑するとして参拝を禁じられてきた。昨年9月、最高裁判所が月経年齢の女人禁制は憲法違反と判断を下してから複数の女性が参拝を試みたが、国政与党のインド人民党支持者らに阻止され続けていた。だが1月2日、42歳と44歳の女性が同寺院に参拝を果たす。それを同日付『ザ・タイムズ・オブ・インディア』が報じるとデモが激化。女性2人は避難している。
同寺院の司祭は「浄化儀式」のために寺院を一時閉鎖。ケララ州のピナライ・ビジャヤン州首相など地元幹部は、最高裁判断に対する違反行為だと非難した。その後、2人以外にも38歳女性が髪を白く染めて年齢をごまかし参拝したとかマレーシア人を含む10人の女性が参拝したらしいと地元紙が報じている。
(小林智香子・ライター、2019年1月18日号)