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火山のみ争点の川内行訴結審、6月17日判決へ

脱原発弁護団全国連絡会|2019年1月25日4:45PM

「国の主張はでたらめ」

記者会見を兼ねた報告集会。原告からも熱心な質問が続いた。(撮影/脱原発弁護団全国連絡会)

18年3月7日、規制庁名義で、「原子力発電所の火山影響評価ガイドにおける 『設計対応不可能な火山事象を伴う火山活動の評価』に関する基本的な考え方について」が出された。被告国は突如、審査当時からこの「基本的な考え方」にある「社会通念」や「本件各要件」なるものを考慮していたと主張し始めたが、
(1)以前の主張には何もなく、まったくのこじつけ、でたらめであること、
(2)この文書は、広島高裁の17年12月13日伊方原発再稼働差し止めを受けて、裁判対策のために後付けのものにすぎないと批判した(「基本的な考え方」が火山ガイドを改訂手続きを取らずに反故にするものであり、国際基準にも反し許されないことは本誌18年4月20日号で添田孝史氏が解説している)。

中野宏典弁護士は、第1回口頭弁論で、伊方最高裁判決の枠組みと、火山ガイドは不合理であるという宮崎支部決定に従えば、この裁判の結論は、処分の取り消し以外ありえないと述べたが、その後も、伊方原発に関する広島高裁即時抗告審決定、同異議審決定など、火山ガイドは不合理であるとの判断が高裁レベルでも固まり、結論は取り消ししかないと述べた。

そして「原子力行政は取り返しのつかない失敗をしたばかりであり、未だ信頼を回復するに至っていないという認識が必要で、行政当局に対する健全な警戒心を失ってはならず、裁判所の役割が相対的に重要度を増す」という行政法学の櫻井敬子教授の論考を引き、今こそ裁判所の役割が問われるときであると締めくくった。

弁護団共同代表の海渡雄一弁護士は、自ら被害者参加人代理人として、法廷に出頭している福島第一原発事故の役員らの刑事裁判に触れ、原発事故を招いた原因は大津波は来ないと思考停止したことにある、同じ過ちを繰り返してはならないと訴えかけた。倉澤裁判長は終始厳しい表情のまま聴いていた。

判決言渡しは19年6月17日午前11時と指定された。裁判所の判断に期待したい。

(脱原発弁護団全国連絡会、2019年1月25日号)

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