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『噂の眞相』岡留安則・元編集長死去 
硬軟併せ持つ「反権力者」

川端幹人|2019年2月19日10:09AM

岡留安則さん。1月31日に死去。享年71歳。(提供/「リテラ」)

『噂の眞相』編集長だった岡留安則が死去したのは1月31日のことです(享年71)。岡留は2016年に脳梗塞を発症ましたが、当初病院に行くことを頑強に拒んでいた。最終的に僕たち元スタッフが沖縄に行って説得し入院させたんですが、昨年秋に末期の肺がんが発見され、そのままあっという間に亡くなってしまいました。

僕は『噂の眞相』に22年間いたんですが、あの雑誌は岡留安則じゃないと絶対に作れなかった。岡留がすごかったのは「反権力」の強固な信念だけでなく、それを貫くための図太さとしたたかさです。あるとき、岡留が暴力団幹部に呼び出され抗議されたことがあったんですが、ちょうどその月、僕が新たに同じその暴力団幹部が絡む問題を記事にしようとしていた。それで「やっぱりまずいですか」と訊いたら、岡留は一言「別件だから大丈夫だろ」。いったいどんな神経してるんだと思いました。

訴訟やトラブルもまったく気にする様子はなく、逆にネタにしていました。右翼に襲撃された時、その模様を撮った映像をウェブで公表したのも岡留の指示ですし、東京地検特捜部から起訴された時は「裁判費用を稼ごう」と公訴記念別冊も出版しました。あんな強度を持った編集者はこれから先も絶対に出てこないと思います。

それと、強調しておきたいのは、社員に対して支配的じゃなかったこと。怒鳴ることも説教することもないし、素顔はおおらかで逆に僕らが訴訟とかにビビったら必ず「大丈夫だよ」と背中を押してくれた。だから、スタッフも高いモチベーションを保てたんです。

現在、僕はネットメディアの「リテラ」を元スタッフと運営していますが、正直『噂の眞相』のような強度は持てていません。もちろんメディアを取り巻く環境が一変して、ああいうメディアが難しくなっているとは思いますが……。ただ、もし岡留が健在だったら、持ち前のアイデアとしたたかさで今の状況に一矢を報いてくれた気もします。そういう意味でも岡留の死は残念でなりません。(談)

(川端幹人・元『噂の眞相』副編集長、2019年2月8日号)

 

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