強制不妊手術訴訟、全国初の原告尋問
2019年2月21日8:07PM
旧優生保護法(1948~96年)のもと行なわれていた障がい者などへの強制不妊手術について国に謝罪と補償を求め2018年に提訴した原告らの証人尋問が2月8日、仙台地裁で行なわれた。
証言したのは原告・佐藤由美さんの義姉・佐藤路子さんと、原告・飯塚淳子さん(以上、全て仮名)。佐藤さんは、「由美さんは日常的にお腹が痛いと言っていた。痛々しい傷跡をみるたび何のための手術なのかと長年、疑問だった」と語った。中島基至裁判長から「(当時)国賠訴訟を起こせたか」と問われると、「普段の用事で役所に行っただけで何が欲しくてきたのかと言われる力関係で、訴えるなど無理だった」と答えた。
飯塚さんは、中学3年生の時に知的障がいと見なされ施設入所。16歳で不妊手術をされ体調を壊したこと、結婚し養子を迎えたが離婚……という辛い人生を語った。障害者手帳もなく働けない体になったため年金も少ない。「人生を返してもらいたい。国にはちゃんと謝ってほしい」と訴えた。また、国側代理人の、飯塚さんの記憶や発言を試すような口調に対しては「そういう(差別的な)扱いをずっと受けてきたんです」と応じた。
次回は3月20日。結審ではないかと弁護団は見ている。
(大橋由香子・フリーライター、2019年2月15日号を一部修正)