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野田市DV虐待事件
母親の逮捕は妥当か

宮本有紀|2019年3月13日7:39PM

「DVと虐待が一体化して起きている。構造的な問題という前提の法制度がない」として関係省庁に連携を求める戒能民江氏(右)。(撮影/宮本有紀)

千葉県野田市で10歳女児が死亡し父母が虐待の疑いで逮捕された。この件について2月14日、東京都内でDV・虐待被害の支援団体が集会を実施。法務、厚労、警察などの省庁からと国会議員も多数出席した。

NPO法人女性ネットSaya-Sayaの松本和子氏は「なぜDV被害者である母親が逮捕されたのか」と疑問を投げ、加害者の支配下に長年おかれ、抵抗できない精神状態を説明。「DV支援が徹底していたら虐待死はなくなるはず」とし、虐待とDVを一体化した支援体系の必要性を訴えた。

虐待やDVに詳しい斉藤秀樹弁護士が「DVの本質は力による支配・コントロールで、最近は身体的暴力を伴わないDVが主流。加害者は冷静に理論的に話し、相手を支配下に置く。DV被害者でも子どもの虐待については加害者だという議論は、この構造がわかっていない」と解説。「DVも虐待もハラスメントもバラバラの法制度。人間関係を捉えた法体系が必要」と述べ、戒能民江・お茶の水女子大学名誉教授も「どういう法制度と運用なら命を救えるのか、省庁が連携して取り組んでほしい」と要請した。

(宮本有紀・編集部、2019年3月1日号)

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