横畠裕介内閣法制局長官が小西洋之衆院議員を揶揄
西川伸一|2019年4月30日7:00AM
矩(のり)を踰(こ)えるとはまさにこのことだ。3月6日の参議院予算委員会で横畠裕介内閣法制局長官は、ある議員の質疑口調を揶揄(やゆ)する答弁を行なった。具体的な経緯は次のとおりである(発言は「参議院インターネット審議中継」から私が聞き取って引用した)。
立憲民主党の小西洋之議員は1月28日の安倍晋三首相の施政方針演説の中で、明治天皇の短歌が引かれている点を質した。それは日露戦争時に戦意高揚の趣旨で詠まれた一首であった。小西議員はこの引用が日本国憲法前文と第9条の理念に反するとは考えないのかと首相を追及した。首相は得意のご飯論法で冗長に答えた。時間稼ぎに業を煮やした小西議員は「国民と国会に対する冒涜ですよ。聞かれたことだけを堂々と答えなさい」と語気を強めた。
強い口調について小西議員は、「われわれ国会議員は国民の代表として議院内閣制の下で質問していますので、私の質問は安倍総理に対する監督行為なんですよ」と説明した。さらに、自分がこの説明の根拠とした質問主意書に対する政府答弁書の確認を内閣法制局長官に求めた。横畠長官は「内閣は国会に対して責任を負う(略)その観点で国会が一定の監督的な機能(略)はもちろんございます。ただ、このような場で声を荒げて発言するというようなことまで含むとは考えておりません」と言ってのけた。