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牛久入管でのインド人男性自殺から1年
「人命軽視」に抗議の声
崎山勝功|2019年5月8日10:27AM
茨城県牛久市の法務省東日本入国管理センター(牛久入管)でインド人被収容者のディパク・クマルさん(当時32歳)が2018年に自殺してから丸1年の4月13日、同所近くで市民有志ら約40人が哀悼の意を表するとともに、クマルさんを自殺に追い込んだ入管当局に抗議の声を上げた。
自殺したクマルさんは17年4月に来日し、政治的理由で迫害を受ける恐れがあるとして難民申請したが、同年7月に申請が却下され品川入管(東京都)に収容。同年12月に牛久入管に移送され、18年4月12日に仮放免申請却下を知り、翌日に自殺した。支援者らによると、生前のクマルさんは、日本での生活に備えて日本語の勉強に励んでいたという。
ツイッターでの呼びかけで集まった参加者らは1分間の黙祷を捧げた後、クマルさんの遺影や「入管はこれ以上犠牲者を出すな」などのプラカードを掲げ「家族を返せ」「友だち返せ」「全件収容今すぐやめろ」「入管庁は人権守れ」などシュプレヒコールをあげた。
同所に収容経験がある、ナイジェリア国籍のエリザベス・アルオリオ・オブエザさんも集会に参加。英語で「ハロー、ブラザー」と同所内の被収容者に呼び掛けたところ、同所の被収容者から「イエーイ」と返ってきた。
エリザベスさんは取材に対し「病気の人もいっぱい(牛久入管に)入っている。でも出られない。うつ病の人も、心臓の病気の人もいる。病気の人を外に出してほしい」と、病気の被収容者への仮放免を訴えた。
病気の被収容者を巡っては、今年3月12日に品川入管で、トルコ出身のクルド人男性、チョラク・メメットさん(38歳)が体調不良を訴えて家族が救急車を呼んだにもかかわらず、入管職員が二度も救急車を追い返す事件が発生。翌13日の衆議院法務委員会で取り上げられるなど、入管当局の人命軽視姿勢が問題視されている。
(崎山勝功・「NEWSつくば」ライター、2019年4月19日号)
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