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「電気グルーヴ」作品出荷停止に反対署名6万超
違法アップロード助長の懸念も
岩本太郎|2019年5月13日10:30AM
ドラマやバラエティでお馴染みのピエール瀧さんが3月12日に麻薬取締法違反で逮捕・起訴された事件で、瀧さんが所属するテクノユニット「電気グルーヴ」のCDや映像を、契約している音楽会社ソニー・ミュージックレーベルズ(SML)が逮捕翌日より出荷や配信を停止したことをめぐり、ファンや音楽関係者からも異論が続出している。SMLにこの撤回を求める有志の署名も3月15日に署名サイト「change.org」で立ち上がり、4月10日までに合計6万4606もの賛同が集まった。
この件は薬物問題のみならず、インターネットが普及した時代の音楽の受容や消費のされ方、そこから生じる課題の存在を物語っている。まず配信停止により、CDよりウェブでの定額配信サービスなどで音楽を聴く習慣が浸透した今日のユーザーは電気グルーヴの曲にアクセスできなくなった。その結果、CDがメルカリで定価の数倍もの価格で販売される現象が発生。今回の署名の発起人でもある社会学者の永田夏来さんは、集まった署名のリストを4月15日にSMLへ提出した後の記者会見で「作品を聴く自由をリスナーから奪っている」と批判した。
同会見では同じく賛同人の社会学者・宮台真司さんが「SMLは何も考えていない。事なかれ主義によるもので、こんな措置は世界中で日本にしかない」。バンド「ヒカシュー」リーダーの巻上公一さんも「レコード会社のしがらみもあり、これに賛同したくてもできないミュージシャンが大勢いる」と問題の悩ましさを指摘した。
賛同人でミュージシャンのダースレイダーさんは「出荷停止が長引く中で違法アップロードが推奨されてしまう可能性」を指摘した。確かにこれは長期的には表現者や作品のみならずファンへの悪影響も憂慮される事態だ。永田さんらはSMLには6月1日をめどに何らかの回答を求めるとしている。
(岩本太郎・編集部、2019年4月26日号)
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