男女ペア立候補を義務化したフランス県議会
西谷玲|2019年5月14日5:01PM
地方議会の女性を増やすため、究極といえる改革をした国がある。それはフランスである。フランスは国政レベルでも、2000年から、小選挙区2回投票制の下院で男女の候補者数の割合の差が2%を超えると政党助成金を減らす罰則を設けた。
そして、県議会選挙では15年から、立候補の時に「男女ペア」でないと出られない仕組みになった。強制的に男女半々となったのである。政治における徹底的な男女平等システムだ。
それまで女性がいなかった県議会はなかったようだが、女性が1人の県はあったようだ。そこも男女半々になったわけで、すなわちそれまでの男性県議の半分は議席を失ったのだ。
そこまでするか、という気もするが、そこまでしなくては政治における男女平等が実現できないという強い意志の表れなのである。
フランス県議会は6年制なので選挙はまだ1回しか行なわれていない。制度自体が始まってまだ5年なので、政治や政策にどのような変化をもたらしたかは今後の検証が必要だが、政治における男女平等のためにこれほどまでの制度変更をした、という好例である。さて日本はどうなるだろう。
(にしたに れい・ジャーナリスト、2019年4月5日号)