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政官が癒着する「悪夢」の安倍政権
佐藤甲一|2019年5月15日5:00PM
安倍政権の「辞任ドミノ」が始まった。「忖度」発言で塚田一郎国土交通副大臣に続き、これまで失言を繰り返してきた桜田義孝五輪担当大臣も4月10日、事実上更迭となった。
本人たちの無自覚ぶりもさることながら、両氏をかばい続けてきた安倍晋三首相の責任こそ重い。議会での多数、野党の弱体をよいことに不適格な政治家を放置してきた責任、すなわち任命責任に加えて「延命責任」をも問われなければならない。
しかしこの大臣辞任劇に目を奪われて忘れてはならないことがある。自民党政治の下で今も堂々と利益誘導政治が行なわれているという事実だ。「利益誘導」の場面を「公表」した塚田氏は、国会で問題視されると一転「熱が入って事実ではないことを語ってしまった」と陳謝し、副大臣辞任に追い込まれた。
しかし作り話だったという釈明を鵜呑みにする政治記者や有権者はそうはいないだろう。案の定、国交省内で交わされたメールの存在が明らかになった。2018年12月20日、つまり19年度予算が閣議決定する前日、参議院の吉田博美自民党幹事長らが国交省を訪れ、下関北九州道路建設着手に向けた「政治的圧力」をかけた場面が露になった。その場面が、実に巧妙なのである。