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新元号狂騒を批判する

宇都宮健児|2019年5月18日7:00AM

新元号を伝える新聞各紙。(撮影/編集部)

4月1日に新元号「令和」が発表されるや否や、テレビ局は特番や情報番組などで長時間を割いて放送、新聞社も号外を出したり翌日の朝刊1面トップで大きく報じた。

菅義偉官房長官が新元号を発表した瞬間は、テレビ局の全キー局が生中継で放送し、安倍晋三首相はメディアに次々と登場し、NHKとテレビ朝日には生出演した。このように新元号発表は、政権による政治ショーと化した。

これまでの元号は中国の古典からとられていたが、今回ははじめて日本の『万葉集』からとってこられたため、出典となった『万葉集』の関連本が売り切れる書店が出たり、「令和」の典拠となった「梅花の歌」の序文、「梅花の宴」を開いた大伴旅人邸宅跡とされる福岡県太宰府市の坂本八幡宮には参拝客が大挙して押し寄せ、周辺は大渋滞するなどフィーバーが続いているということである。

しかしながら、元号制度そのものは、「皇帝が時を支配する」という中国の思想に倣ったものである。もちろん、漢字も中国から伝わってきたものである。

中国における元号制度は、前漢(前202年~後8年)時代の第7代皇帝武帝(在位期間前141年~前87年)が始めたといわれている。皇帝が元号を決め、人々がそれを使うことは、皇帝の支配に服従し従属するという意味が込められている。

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