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弁護士らが「憲法ボードゲーム」発表
魔法で憲法取り戻す?
土村利夫|2019年5月20日12:10PM
憲法記念日を前に控えた4月25日。ゲームを通して憲法を知ってもらうことを目的とした「憲法ボードゲーム」(試作品)の制作発表会が都内で行なわれた。
ゲームの舞台は、「悪い魔法使い」によって、憲法が消し去られ、さまざまな不幸が襲ってくる、とある時代の日本。そこで、市民が立ち上がり、「良い魔法使い」の力を借りつつ、憲法を復活させ、幸せを取り戻していくという趣向だ。ゲームを通じて憲法の各条文の役割を理解できるのが大きな特徴である。大人から小学校3年生くらいの子どもまで楽しんでもらえるよう工夫されている。
開発を手がけたのはボードゲーム開発者の安藤哲也さんと「明日の自由を守る若手弁護士の会」(URL http://www.asuno-jiyuu.com/)。現在、ゲームで遊びながら街づくりに取り組んでいる安藤さんは、「憲法がなくなると、私たちの生活はどのように脅かされるのか。ゲームを通して、憲法の意義を体感してもらうことができる」と話す。憲法というと、さまざまな条文が出てきて、敬遠されがちであるが、遊び感覚なら取っつきやすく、理解も深めやすいという狙いがある。
「協同型のゲーム」という点も重要だ。「ゲームの参加者が競い合うのではなく、みんなで相談し協力しながら、ゲームを楽しむことに意味がある」(安藤さん)。
ゲームを活用する想定場面の一つとして、学校の授業が挙げられる。座学だけではなく、3~4名で1チームをつくり、各チームでとことん話し合うことで、憲法をより深く学ぶことができる。
発売時期は今年8月を予定。販売価格は4000円前後で、クラウドファンディングや通販、ボードゲームカフェで販売する計画だ。
憲法を消し去ろうとする脅威はゲームの世界に限ったことではない。改憲の動きがにわかとなっている今、市民が憲法に親しめるツールの開発は意義深いといえる。
(土村利夫・編集部、2019年5月10日号)