望まぬ妊娠防ぐ緊急避妊薬
安全で迅速な入手環境を
宮本有紀|2019年5月24日11:00AM
「#なんでないのプロジェクト」代表の福田和子氏は、同団体が5月4日~15日に実施した実態調査のウェブアンケート結果を発表した。10代~60代以上の男女その他1566人が回答。緊急避妊薬を必要としながら実際に服用した女性は約3割で、その6割以上が使用回数は1回のみ。必要とした理由の4割強がコンドームによる避妊の失敗で、服用断念の理由は高額、産婦人科に抵抗、情報不足など。福田氏は、コンドームという男性主体の避妊でリスクを負う女性の「私たちはあまりにも守られていない」という声を紹介した。
産婦人科医の遠見才希子氏も「避妊はコンドームが主流という日本は世界から40年遅れている。女性主体の効果の高い避妊法の選択肢が少ない」と指摘。「濫用のおそれがある」「解禁で性が乱れる」などの意見があることについては「医療には人を罰したり律したりする役割はあるのか。健康を守るため安全に平等に提供されるものではないか」と反論し、条件をつけないオンライン診療や薬局での販売など「薬が早急に手に入るシステムを考えたい」と話した。
(宮本有紀・編集部。2019年5月24日号)