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映画で「改憲」と闘う井上淳一監督の情熱

西川伸一|2019年6月2日7:00AM

 心晴れなかった10連休明けの5月7日の午前中に、東京・東中野のポレポレ東中野に映画『誰がために憲法はある』を観に行った。開映10分前に入場すると、空席はわずかで補助椅子まで用意される超満員ぶりだった。来場者の大半は高齢者のようにみえた。

井上淳一監督の作品である。井上氏は大学に入るとすぐに若松孝二監督に師事して、若松プロの映画制作に助監督として加わった経歴をもつ。若松監督の映画作りにかけた情熱は、映画『止められるか、俺たちを』(2018年)に描かれている。

井上氏はこの脚本を手がけた。「映画を武器に世界と闘う」をモットーにした若松流が、同監督の中に受け継がれていると合点がいった。

終映後に井上監督がトークイベントに登場した。同監督は〈韓国では映画で自国の黒歴史がどんどん暴かれている、アメリカでも権力の内幕に迫る映画が盛んに撮られている、ならば改憲が日程にのぼっている日本で映画が何もしなくていいのか〉などと、憲法を題材にした映画に込めた問題意識を語った。

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