補選で「女は政治は無理」ビラ
沖縄県警が告発状受理
黒島美奈子|2019年6月7日12:51PM
衆院沖縄3区補選(4月21日投開票)の選挙期間中、「女は政治は無理 女は台所に帰れ」と書かれた掲示物が街頭に大量に張り出された問題で、沖縄県警は5月28日、公職選挙法違反(偽計による選挙自由妨害)で市民が提出した告発状を受理した。
告発した「権力の暴圧を許さない市民の会」(仲宗根勇代表)によると、掲示物は4月16日ごろ、沖縄市や名護市など衆院選挙区3区内の電柱などに数百枚が張り出された。
沖縄では無所属で「オール沖縄」勢力が推す屋良朝博氏と、自民党公認(公明・維新推薦)で元沖縄北方担当相の島尻安伊子氏が立候補しており、両候補とも「女性を蔑視する内容だ」「許せない」など掲示物を批判するコメントを出していた。
結果は屋良氏が7万7156票を獲得し、島尻氏に1万7728票差を付けて勝利。投開票後の5月7日、糸数慶子参院議員や前出の仲宗根氏ら8人が、県警と那覇地方検察庁に告発状を提出。糸数氏は「女性候補を軽視する文言で許されない」と訴えた。
市民の会のメンバーの山内末子県議は「女性はもちろん、政治を侮辱した内容で看過できない」と告発理由を説明。掲示物は4月15日夜から16日早朝に張られた可能性があるとし「投開票日直前の掲示で、有権者の投票行動を左右しようとした意図が見え悪質。誰がどういう目的で張ったのか明らかにする必要がある」と語った。
(黒島美奈子・『沖縄タイムス』論説委員、2019年6月7日号)