【タグ】ヒッキーヒッキーシェイク|幻冬舎|日本国紀|津原泰水|百田尚樹|見城徹
幻冬舎・見城徹社長の実売部数公表、結局なにが問題だった?
岩本太郎|2019年6月10日10:22AM
文芸書を中心にベストセラーを多数生み出してきた出版社として知られる「幻冬舎」(東京都渋谷区)の見城徹社長が、自社から発行してきた作家・津原泰水氏の著書の実売部数をツイッターで公表(5月16日深夜)したことからインターネット上で“炎上”を引き起こした一件は、1週間後の23日に幻冬舎が公式サイトで「お詫び」を公表する事態に発展した。
発端は今年1月、津原氏が幻冬舎から文庫化の予定で作業が進行中だった自作『ヒッキーヒッキーシェイク』の刊行について、担当編集者より突然「諦めざるを得ない」という趣旨のメールが届いた時点に遡る。幻冬舎より昨年刊行されてベストセラーとなった百田尚樹氏の『日本国紀』について、津原氏が「ウェブからのコピペに満ちた自国礼賛本」などとネット上で批判したことに同社内から「販売のモチベーションを下げている者の著作に営業部は協力できない」との声が上がった、というのがその理由らしい。この経緯を報告した津原氏のツイートを5月半ばに『毎日新聞』などが報じ、そこに幻冬舎側の「文庫化を一方的に中止した事実はない」とのコメントも紹介されるようになる中、津原氏はさらに担当編集者とのやり取りの一部始終を詳細に公表した。 これにたまりかねたか、見城氏が自らのツイッターアカウントで津原氏の幻冬舎から出た著作(文庫化以前の単行本)について「僕は出版を躊躇いましたが担当者の熱い想いに負けてOKを出しました。初版〇部、実売△部も行きませんでした」(伏字部分は実数)と、数字を暴露する形で反論。そこに作家の高橋源一郎氏による「見城さん、出版社のトップとして、これはないよ」などの批判ツイートが続出したことから、騒動に一気に火がついた。見城氏は17日には当該ツイートを削除のうえアカウント上で謝罪。19日にはツイッターへの投稿を今後は停止することも宣言した。