仲村未央・沖縄県議会議員に聞く
戦災調査からはずされ続けた沖縄
2019年6月25日7:58PM
――「はしがき」に「今回は46都道府県における戦災により犠牲をこうむった婦人に対する記録を対象に調査~」などと「46都道府県」とはっきり書いてありますね。
なぜ47都道府県ではなくて46都道府県なのか。それに「学童疎開」でいえば、沖縄から疎開する児童たちが乗った対馬丸(米軍の攻撃を受けて沈没)以上に被害の大きい学童疎開はないはずです。子どもたちの被害は判明しているだけで784名。46都道府県の調査を見ていくと、学童疎開で亡くなった子どもがたとえば4人くらいの県でもちゃんと載っているのに対馬丸はスルーでいいのか。
そしたらこの報告書の204ページに年表があって「8月22日、沖縄から鹿児島に向う疎開船『対馬丸』米潜水艦により撃沈」って書かれてるんですよ。それなのに「46都道府県」ってどういうことなのか。
それで、私は2011年の県議会が最初ですが、県知事に質問する形で「なぜ政府は沖縄の調査をしないのですか」と県の所管に聞きました。そしたら部長が「国に照会しましたところ、これまで国による沖縄戦における総合的な被害調査は行なわれたことはないとのことであります」って。
県が公式に聞いても国はやったことがないということが確認できました。ますますおかしいじゃないかと思いまして、照屋寛徳さんが国会議員なので代表してもらって党と会派と連名で申し入れしたのが2015年です。