川内原発 行政訴訟判決
火山ガイド不合理でも処分は取り消さない
脱原発弁護団全国連絡会|2019年7月4日8:20PM
6月17日、福岡地方裁判所第1民事部(倉澤守春裁判長)は、川内原発の設置変更許可取消請求を棄却しました。ほぼ満席の福岡地裁101号法廷では判決骨子を読み上げて去っていく裁判長らに傍聴席からは「科学を否定するのか」「司法の独立はどこ行ったんだ」などの言葉が投げつけられました。
倉澤裁判長は4月に東京高裁に異動していましたが、わざわざ福岡地裁にきて判決骨子を読み上げました。
この裁判は、「火山ガイドは不合理であるが、民事訴訟においては巨大噴火のリスクは社会通念上無視できる」とした2016年4月6日の福岡高裁宮崎支部即時抗告審決定を受け、基準が不合理である以上、許可処分自体は違法で取り消すべきであるという考えのもと、設置変更許可処分取り消し訴訟として提起されました。
その後も広島高裁などで同様の判断が相次ぎ、火山ガイドが不合理であることは争いようのない事実となりつつありました。本判決は、火山ガイドには科学的にみて、噴火の可能性の有無及び程度を正確に評価できることを前提としている点で不合理の疑いが残るとしました。国を相手にした行政訴訟で初めてこのような判断がなされたことは、火山ガイドの不当性を決定づけるものです。