G20大阪サミット首脳宣言
男女平等は持続的包括的な経済成長に不可欠
小林智香子|2019年7月5日7:00AM
6月28~29日に大阪で開催された20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の2日目、女性の活躍やジェンダー平等に関する話し合いがなされた。
発表された首脳宣言では、今まではなかった「ウィメンズ・エンパワーメント」という独立した項目があることが目を引く。女性の積極的登用を目指した点は、男女の就労率格差を2025年までに25%減らすことを表明した2014年のブリスベン・サミットの時よりは前進しているが、女性が男性より低い賃金水準にあることや出産育児などで就労に弊害がある現状は、国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)の報告書で指摘されている通り。昨年のブエノスアイレス・サミットと同様、男女格差をなくすよう努力を加速していく必要があると記載されている。
また、昨年から引き続き、「男女平等と女性のエンパワーメントは持続可能で包括的な経済成長には不可欠」との見解も示した。ブエノスアイレス・サミット首脳宣言にはなかった「女性の有償労働参加を大きく妨げている育児や介護などの無給労働」に対応することを明言するという進展もあるが、どう対応するかという具体策は提起されていない。