真実と事実と現実
小室等|2019年7月14日5:12PM
六月二日に行なわれた東京・阿佐ヶ谷ロフトAのイベント「獄友イノセンスバンド ライブin阿佐ヶ谷」の打ち上げの席で出会った女性が、五月三日の有明防災公園での憲法集会にも来ていて、われら〈獄友イノセンスバンド〉(谷川賢作、河野俊二、こむろゆい、小室等)の演奏も聴いてくれたという。
そこで、ちょっとした問題が明らかになった。
右翼とコラボレーションした話は、前々回(五月一七日号)のこの欄で紹介した。
集会に参加した六万五〇〇〇人を前に演奏しているわれら〈獄友イノセンスバンド〉の後方のフェンスの向こう側から、街宣車の大音量のスピーカーで浴びせかけてくる軍歌などに滑稽さを感じて、めげずにその音と共演したという話。
ところが、ロフトの女性の証言は、僕の状況認識と食い違う。
少し遅れて会場に到着した彼女は六万五〇〇〇人のずっと後ろの方で聴いていて、「右翼の音ってなんですか? そんな音は自分にはまったく聴こえてなかった。イノセンスバンドの演奏に、ノッちゃいました」と言う。