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衆院解散の大義名分とは
西谷玲|2019年7月14日3:57PM
今年は統一地方選もあったから、国会議員や地方議員の間には、もうさんざん選挙はやった、疲れたからいい加減にしてくれ、というような厭戦ムードが漂う。
国会議員を回ると、野党を中心に「選挙は本当にあるのか」という懐疑的なムードが強い。人間見たくないものは見たくないのだな、この議員はあまり選挙のための活動をしていないのだとわかる。
もし解散だとして、何を大義名分とするのか。消費税はさすがに今回の更なる延期はなさそうである。これだけ小難しくて複雑な対策も用意して、延期となれば混乱と批判を招くだけだからだろう。
では何なのだろう? ちなみに前回17年の解散は、北朝鮮情勢を国難だとしてそれを突破するためだということであった。覚えている人は少ないだろうが。
では憲法? それも強引すぎる。ちょっと思い当たらないが、ここでやはり想起されるのは菅氏の言及した野党による不信任案提出である。野党が内閣を信任できないというのなら、国民に聞こうというわけで解散、ということだ。
野党は衆院選に向けての準備が整っていない。今、必死で立憲と国民が統一候補をたてるべく調整しているが、途上だ。政権与党からすれば今解散すれば野党を壊滅状態に追い込めるかもしれない。野党はそれでいいのか? ここは十分慎重になって、会期末だからといって思考停止のように不信任案を提出しないことだ。
(にしたに れい・ジャーナリスト、2019年6月7日号)
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