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参院選・女性候補者比率
共産55%・立憲45%達成、自民・公明は15%未満
宮本有紀|2019年7月19日7:00AM
候補者における男女数の均等を目指す「政治分野における男女共同参画推進法(以下、推進法)」の成立後初の参議院選。注目された女性候補者比率は、全候補の28・1%となった。過去最高ではあるが、「均等」にはほど遠い。
フランスのパリテ(男女同数)法にも詳しい憲法学者の植野妙実子・中央大学名誉教授は「28・1%では、政府が男女共同参画基本計画で掲げた〈衆院選と参院選の候補者に占める女性割合を2020年までに30%にする〉との目標にも届いていない」と指摘。「女性議員比率が低く伸び悩んでいるのは、野党の女性候補者が多くても与党の女性候補者数が低く、結果的に当選に結びついていないから。法律を作ったのなら、政権政党である自民党が率先して女性候補者を多く立てるべき」と話す。
推進法は超党派議連が進め、全会派一致で賛成したにもかかわらず、表の通り、与野党ではっきり女性候補者比率の差が出た。母数の少ない社民の7割は特別としても、共産は5割超、立憲は5割近く、国民と維新は3割を超えた。一方、与党の自民は2割未満、公明は1割未満にとどまった。
推進法の成立に尽力した政治学者の三浦まり・上智大学教授は、この数字について「立憲民主党や国民民主党は数値目標を掲げそれを達成した。目標を設定しなかった共産党や社民党も5割を上回っている」と評価する一方、「自民党や公明党は前回より女性比率を減らすなど、女性擁立には熱心でないことが示された」と失望を表明。
「男女の数の均等をめざすことを全会一致で通したのだから、すべての政党が法律の精神を守る必要がある。推進法の実効性を高めるためには、女性擁立をめぐる各党の温度差が報道され、法律を遵守していない政党の説明責任を求め続けることが大切だ」とし、「それでもなお改善が見られないのであれば、法的クオータを導入するべき」と、推進法の理念だけでは実績をあげられない政党があるのなら、より強制力のある段階に進むことも示唆した。
(宮本有紀・編集部、2019年7月19日号)