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男女賃金格差の是正を!
女子W杯優勝の米国選手らサッカー連盟を提訴

小林智香子|2019年7月20日7:00AM

受賞のトロフィーを手にするメーガン・ラピノー選手。(提供/AP・AFLO)

フランスで開催された国際サッカー連盟(FIFA)主催の女子サッカー世界選手権大会(ワールドカップ)で7月7日、米国代表チームが四度目の優勝を果たした。直後、「USA!」と共に「イコール・ペイ!」(同一賃金)というコールがスタジアムに響いた。

このコールは、米国チームの女性28人が、国際女性デーの3月8日に賃金差別を是正する訴訟をカリフォルニア州の地裁に提起したことへの支持の表明だった。原告らが裁判所に提出した書類によれば、女子選手は、同レベルの男子選手の約4割の報酬しかないという。これは合衆国のサッカー連盟が同一賃金法と雇用差別を禁じた公民権法第7編に違反し、制度的性差別をしているという訴えだ。

連盟側は「異なった労働と異なった給与体系のため」男女で給料等の差が出ているのだと主張するが、女子チームは男子チームより良い成績を収め、連盟により高い収益をもたらしている。オリンピックで4回、ワールドカップで4回優勝している女子に対し、男子はどちらもゼロ。「同一労働ではない」という連盟側の主張を認めるとしても、多額の報酬が得られる男子選手に比べ、多くの女性選手が副業しないと生活できない報酬しか得られていないというのは筋が通らない。

今回、ゴールデンボール賞(MVPに匹敵)とゴールデンブーツ賞(大会最多得点選手に授与される)を受賞した米国女子チームのメーガン・ラピノー共同主将は、訴訟の原告として「われわれが同一賃金をもらう資格があるかどうかの議論はこれ以上必要なく、もう次のステップに行く時がきた」と複数のメディアに語っている。

現在、原告と被告間で調停に入ることで同意し、サッカー連盟がどう出るかが注目されている。

(小林智香子・ライター、2019年7月19日号)

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