「脅迫容疑」で予備自衛官逮捕
警視庁など公表せず
片岡伸行|2019年7月23日1:10PM
【誓約書を反故、釈放後もツイッターに書き込み】
三宅さんへの脅迫容疑で逮捕された予備自衛官は6月7日夜に釈放されたが、直後から「ニーナ・ハッサン」というアカウント名で「某元国会議員に脅迫で訴えられました」などとツイッターを再開。右派的言動で知られる病院長に資金の援助を求める内容のツイートなどを繰り返した。現在このアカウントは見当たらない。「予備自衛官は保釈の際に誓約書を書かされたと聞きましたが、アカウントを開設し、刺激するような書き込みを再開するのは許されるのでしょうか」と三宅さんは指摘する。
また、『しんぶん赤旗』が6月21日付で「予備自衛官 元議員脅迫で逮捕」を報じ、翌日に「防衛省、事実認める」と続報を出したことにも、「微罪でも実名で容疑者逮捕が報じられているのに、警視庁はこの予備自衛官逮捕を発表しません。『赤旗』が報じたのに、大手メディアも沈黙している」と三宅さんは首をかしげる。7月9日現在、起訴か不起訴かは不明だ。
何かの力が働いているのか。安倍政権にとっては、反対の声が強い地上イージス配備が大きな争点となる参院選秋田県選挙区などにはとくに、防衛省がらみの不祥事を伏せたいところだろう。
しかしこの問題は、ネット上で嫌がらせを受ける他の女性議員も同様、活発な活動を続ける元国会議員を脅迫したという点で悪質だ。三宅さんのツイッターのフォロワーは約6万人。その自由な政治的言動を制約する恐れがある。
(片岡伸行・記者、2019年7月12日号)
※編注:予備自衛官は7月18日に東京簡易裁判所に起訴された。