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森友ゴミ問題、野党が合同ヒアリングで国側を追及
片岡伸行|2019年7月25日10:43AM
【「知見も判断能力なし」】
財務省の説明では、鑑定価格9億5600万円の国有地を8割超もの大幅値引きとなる1億3400万円で森友学園に売却した理由は「地下3・8メートル以深から見つかった新たな埋設ゴミ」があったからで、その証拠として国土交通省大阪航空局は前述の「試掘穴」の写真資料を出してきた。
同日のヒアリングに出席した前述の川内議員と、森ゆうこ参議院議員(国民民主党)は国側にこう確認した。
「3・8メートルより深いところのゴミを示す根拠、客観的なデータはこの写真だけですね?」
国交省航空局の石山英顕空港業務課長が「そうです」と認めると、2人は畳み掛けた。
「そのプリントでは中が暗くてよく見えないので、デジタルデータを解析したが、見てのとおり、ゴミの層など写っていないでしょ?会計検査院の報告書(17年11月22日)でも、その深さのゴミは〈確認できず〉としている」
すると、石山課長は「職員が実際に現場で見て確認したので間違いない。当時検証可能なあらゆる材料で総合的に判断した」などと説明した。
これに対し、小川敏夫参議院議員(立憲民主党)は「この解析写真を見れば地下3・8メートルまでゴミがないことは明らかだ。実際にゴミを見たというなら、どういうゴミで、どんな処理が必要だったのか説明を」と迫った。
森議員に「あなた方も責任がある。3メートルより下にゴミがありますか?」と振られた財務省側は、理財局の嶋田俊之国有財産企画課長が冒頭の「知見がない」発言に続き「われわれには(埋設ゴミについて)判断する能力がない。最終的に価格算定をした責任はあるが、細かな点の知見がない」と釈明。
すると、森議員はすかさず「それは無責任。(公有地の適正価格での処分を義務付けた)財政法9条を守っていることにならない」とピシャリ。
国側は次回までに、一体どんなゴミが出て、そのゴミにはどんな処理が必要だったのかを回答するよう求められた。
さて、解析写真には写っていないゴミの中身を、国交省と財務省はどう説明するのか。
(片岡伸行・記者、2019年7月12日号)