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『平和の少女像』展示──河村名古屋市長が「即刻中止」要請、津田監督は「自制的振る舞いを期待」
2019年8月2日9:25PM
「検閲」にあたると危惧
芸術監督の津田氏の緊急会見は午後4時40分ごろから開かれ、国内や韓国の報道陣40人余りが詰めかけた。津田氏は感情を抑えたゆっくりした口調で用意したステートメントを読み上げた。
河村市長が少女像の撤去や「表現の不自由展」の中止を求めていることについて、「行政は同展の展示の趣旨を認めているが、展示されたすべての作品への賛意を示しているわけではない」と断ったうえで、「行政が展覧会の内容について隅から隅まで口を出し、行政として認められない表現は展示できないということが仕組み化されるのであれば、それは憲法21条で禁止された『検閲』に当たるという、別の問題が生じると僕は考えます」と言葉を選びながら主張した。
津田氏は、開幕前日の7月31日から連日、事務局に電話が殺到していることも明らかにし、「その中には、テロ予告や脅迫とも取れるようなものや、電話に応対しただけの職員個人を攻撃するものも多く含まれています」と述べ、危機感をあらわにした。
事務局によると、8月1日の抗議電話が約200件、メールでの苦情が約500件あり、2日も同じ程度だという。多くて20人程度で対応しているが、全員が電話にかかり切りになることもあるという。
津田氏は「日本が自国の現在、過去の負の側面に言及する表現が安全に行なえない社会となっていることを内外に示すことの意味をよく考えていただき、自制的に振舞っていただくことを期待しております」と呼びかけて、ステートメントを締めた。
事務局によると、文化庁から、少女像の展示などについて説明を求められているため、近く職員が説明に訪れるという。