天声人語氏曰く
小室等|2019年8月16日7:00AM
「あんたただ者じゃないと思っていたけど、いや、今さらながらあんた、大した御仁でありますな」
てな具合の中身なしの「ごあいさつ」。どこが歴史的会談であるか、いい加減にせんかい! である。
で、つい慧眼と口走ってしまいましたが、ちょっと違うかも。
天声人語氏曰く「核の実態についての検証がない」、曰く「非核化に向かうための具体的な計画もない」と言うのだが、トランプ(アメリカ)にそんなことを言う資格がある?
自分ちの核廃棄に実行着手してからが順番でしょ。核廃棄縮小が国際世論でも、核兵器を持っている国がそれを言うのなら、自ら範を示してからでしょ。核を保持しちゃっているのは既成事実なんだから、それは使用実行しないということで自分たちは現状維持、けどこれからの人はなしよ! ってのはヘンでしょ。
既成事実化なし崩し作戦に、日本の人々は鈍い。
たとえば軍国、名称変更なし崩し作戦。一九五〇年に警察予備隊発足、五二年に保安隊と名を変え、五四年に陸上・海上・航空自衛隊と脱皮し、防衛庁は省となり今に至る。参議院選挙公示前、安倍首相は「自衛隊の存在を明確に憲法に位置付ける」とご発言。
放っておけば、いずれ日本国軍隊と言いだすに違いない。
(こむろ ひとし・シンガーソングライター、2019年7月12日号)