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東京五輪、お台場会場は大腸菌だらけ?
トイレ簡易処理水を放流
永尾俊彦|2019年9月12日11:31AM
日本トライアスロン連合は8月17日、来年の東京五輪・パラリンピックのテスト大会を兼ねて行なわれたパラトライアスロンのワールドカップを、会場の都立お台場海浜公園(港区)の水質悪化のため、スイム(0・75キロメートル)を中止し、ラン(2・5キロ)、バイク(20キロ)、ラン(5キロ)のデュアスロンで実施した。水質検査で大腸菌の数が国際トライアスロン連合の基準上限の2倍を超え、水質リスクが4段階で最悪のレベル4と判定された。
東京都の小池百合子知事は8月23日の定例記者会見で、お台場の水質対策について「効果があったことが認められておりますので、来年の本番では、三重のスクリーンを張っていく」と述べた。「スクリーン」とは、本来は海洋土木工事で汚染拡散防止用に張るポリエステル製の幕だ。今夏のテスト大会では一重だったのを来夏の本番では三重にするというのだ。
確かに、都と東京2020組織委員会が、昨年7月から9月にお台場で行なったスクリーンの実験では、大腸菌は三重のスクリーン内では調査期間すべてで基準内だった。だが、同時に行なわれたスクリーン外の水質水温調査では、台風などの影響で大腸菌の数値が調査した27日間のうち12日間で水質基準を超過していた。
また、水温については基準を超えた日はなかったが、スクリーン内側は外側と比較して平均約1度(最高3・8度)高かった。スクリーンを張ればある程度大腸菌は抑制できるが、水温が上がってしまうのだ。都と組織委は今後、スクリーンを開閉する対策を検討するとしている。