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『毎日新聞』川柳が「嫌韓あおる」と炎上

岩本太郎|2019年9月27日8:59PM

ウェブから削除された8月27日付「仲畑流万能川柳」。

『毎日新聞』朝刊(およびウェブ)連載「仲畑流万能川柳」をめぐる「炎上」が発生した。同欄選者のコピーライター・仲畑貴志さんが8月27日付の「秀逸」作に挙げた「台風も日本のせいと言いそな韓」に対して「嫌韓をあおる」などの批判がウェブなどで続出。同紙は翌28日にこの件について「ご説明」を公式サイトに掲載。前記を含む「万能川柳」同日付記事をウェブやデータベースから削除した。

ただ、『毎日』が前記「ご説明」で同作品の掲載について、嫌韓をあおる意図はなかったが〈「嫌韓をあおる」と受け止められた方がいらっしゃったという事実については、真摯に受け止めております〉と述べ、それ以上はお詫びも何もしなかったことから騒ぎはさらに拡大。「自らには非はないということか?」「問題発言批判に対する安倍政権の閣僚答弁のようだ」「毎日には取材協力してきたが、今後はもう協力したくない」との声もウェブ上に溢れ返った。

しかも当の『毎日新聞』の記者たちも「ご説明」をツイッターで批判。〈誠実な説明になっていない〉(ヘイトスピーチ問題などを取材してきた写真記者の後藤由耶さん)、〈差別の「意図」がなかったと言い張っても、「差別的効果」を持つ言説は差別扇動になる〉(夕刊「特集ワイド」などで活躍する井田純さん)、〈「そう受け止められたなら謝罪する」という発言を批判する立場の新聞社が同じことをしてしまっている〉(デジタル編集グループの中嶋真希さん)などの声が次々に上がった。

ウェブから削除しても紙の新聞記事(右の写真)は残る。『毎日』の対応は自社の記者らが指摘するように「不誠実」だ。先に講談社が女性誌『ViVi』での自民党コラボ広告を批判され撤回した後「政治的意図はなかった」と説明した件(本誌6月21日号)もあったが、批判を受けて「◯◯という意図はなかったが撤回する」という体質がマスメディア業界にも蔓延しつつあるのではないかとも思わせる、憂慮すべき事態だ。

(岩本太郎・編集部、2019年9月6日号)

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