受刑者の更生過程描くドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』来春公開
小宮純一|2019年10月29日12:52PM
【プレ企画ではTC体験者も発言】
作品の劇場公開を前に、9月23日から東京・大阪・札幌・那覇の4都市でプレ企画として特別試写とシンポジウムが連続して行なわれた。テーマは「ぼくたちがここにいる本当の理由」。
都内で開かれたシンポジウム「映画『プリズン・サークル』から考える暴力の連鎖、コミュニティ、メディア」には、米国アリゾナ州で創設され、薬物やアルコールなどの依存症問題を抱える受刑者を対象に行なわれるTCとして世界的に知られる「アミティ」代表のロッド・ムレン氏と同副代表ナヤ・アービター氏、臨床心理士の信田さよ子氏らが登壇。映画について「過去のトラウマ記憶を言語化するプロセスをリアルに描いている」(信田氏)など感想を述べた。客席からはTCを体験した元受刑者3人が発言。「ユニットでは番号ではなく名前で呼ばれ驚いた。見下されていないと感じてうれしかった」「正直に事実を話すのは苦しいが、安心・安全が保障されていれば話せる。回復につながっている」などと体験談を語った(公式サイトはURL https://prison-circle.com/)。
(小宮純一・ジャーナリスト、2019年10月11日号)