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性暴力加害とどう向き合うか
男性ができることは何?

宮本有紀|2019年11月15日7:00AM

臨床現場からの声として「ポジショナリティは常に被害者の立場。中立というポジショナリティは被害を不可視化する」と話す信田さよ子・原宿カウンセリングセンター所長(中央)。右は中村正・立命館大学教授。(撮影/宮本有紀)

家族介護などを研究する東京都健康長寿医療センター研究所の平山亮氏はケア行為の支配被支配関係を指摘する。たとえば寝たきりの母を熱心に介護し、歩行トレーニングをする息子がいるが「母親は申し訳ないと思うから逆らわないだけ。でも息子は『母が何をしてほしいか僕にはわかっています』と絶対の自信を持つ。これは何かに似ていませんか」と投げかけ、異論の言いにくさや意思表示できない状態で希望を勝手に判断されることが、ケアと(性)暴力で類似していることを解説。そしてジェンダーを問わず相手を支配しないためには「この人の意思・希望は私には完全にはわからない、と境界をひくこと」だと話した。

キルマーティン名誉教授は大学や軍隊などでの統計から、「軍のリーダーに性暴力資質があると、女性兵士が性暴力を受けるリスクが600%増加する」と提示。実際、米軍の統計では、2006年から減少していた性暴力件数が、18年には増えたという。同氏は「これは軍の最高司令官である大統領がトランプ氏になってからで、彼自身が女性への性加害を報道されたが責任をとっていないことと関係があると思う」とし、リーダーが性差別や暴力に反対の姿勢を打ち出し、加害者に責任をとらせるしくみが必要と強調した。

(宮本有紀・編集部、2019年11月15日号)

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