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関電の原発マネー「不正環流」を大阪地検に告発へ

2019年11月18日12:38PM

【全国の原発立地に“黒幕”】

集会後にアイリーン・美緒子・スミスさんら参加者による記者会見も開かれた。「関電元幹部らが『再稼働をすることが利益を上げる。そのために使っただけ』と主張したらどうするか」「背任罪と収賄罪は並立するのか」などの質問が出た。河合氏は「それがまさに関電の本音ですが、そう主張することはできないでしょう」「両罪は並立できる」と回答。

なお、背任罪については「八木氏や岩根氏ら関電幹部が、巡り巡って自分のところに金がくるように言った、ということが証明されなければ立証できないのでは?」との質問も出たが河合氏は「還流というのは社会的な言葉でしかない。還流を立証する必要はなく、無用な金を使って会社に損害を与えたことを示せばいい」と答えた。

さらに「全国の原発立地自治体に森山氏のようなフィクサーが必ずいる。政府はその発覚を恐れ調査させ、経済産業省は2日後に『ありません』と回答したが、2日で調べられるはずがない。マスコミのみなさんの調査に期待したい」と訴えた。その経産省トップだった菅原一秀氏は買収疑惑報道で辞任した。

【第三者委の怪しげな顔ぶれ】

ちなみに、黒塗りだらけの関電報告書をまとめた小林敬弁護士は10月2日の会見で八木・岩根両氏が退席した後に登場し記者に概要説明していた。見覚えある顔だと思ったら、厚生労働省幹部だった村木厚子さんが10年に「郵便不正」で逮捕・起訴された事件で特捜検事の証拠改竄が発覚した時の大阪地検検事正。当時、減給処分になったが退職後しっかりと関電の外部委員に収まっていたのだ。

しかも第三者委員会の委員長は06年から08年まで検事総長を務めた但木敬一弁護士だ。関電の影響力を見せつけるような布陣だが、こんな委員会で真相解明ができるのか、きわめて疑問である。

河合氏は「告発者になると逆に誣告罪で訴えられないかと心配される方もいますが心配ご無用。根拠なく告発するのではない。関電の内部報告書だけでも十分、告発根拠になり誣告罪にはならない」とも説明した。

10月2日に関西電力は金品受領を会見で明かした。だが電気料金を払う市民のための会見ではなく株主を意識してのこと。最大株主の大阪市の松井一郎市長が「株主代表訴訟」まで口にし、危機を感じていた。

金沢国税局の調査でたまたま受領額の少なかった八木前会長と岩根社長が会見すれば乗り切れると考えたはず。そんなあざとい関電の目論見を潰す時がきた。

資料作成や連絡費用に当初一口1000円とされた告発人参加費は集会での意見を踏まえ500円に変更。幅広く参加者を募る。

告発人希望者(関電利用者以外も可)はHP(URL http://kandenakan.html.xdomain.jp/)か事務局(原子力発電に反対する福井県民会議・TEL 0776・25・7784 FAX 0776・27・5773 Mail fukuiheiwa@major.ocn.ne.jp)まで。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、2019年11月1日号)

 

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