遺伝子組み換えナタネの自生を7県で確認
岡田幹治|2019年11月19日11:12AM
【二省の調査は不十分】
GMナタネの抜き取りに力を入れているのが「遺伝子組換え食品を考える中部の会」(愛知県)だ。四日市港(三重県四日市市)から製油工場への輸送道路を中心に、これまでに22回の抜き取り活動をしてきた。
抜き取り本数が15・16年に急増したため関連会社と交渉し、関連会社は四日市港のナタネを積み込む場所に強力なエアシャワーを設置するとともに、トラックの横や後ろは運転手が手動で空気を吹きかけるというマニュアルを作った。トラックに付着する種子をできるだけ減らすねらいだ。
環境省は「GM生物による影響監視調査」を、また農水省は「GM植物実態調査」を実施している。しかし、両省ともごく限られた地域を調べただけで、「(汚染)拡大の傾向は確認されなかった」(環境省)、「生物多様性への影響は生じていない」(農水省)との結論を出している。
両省の説明に対して参加者からは「GMナタネの自生が少ないのは、私たちが抜き取っていることも影響している」「調査地域をもっと広げるべきだ」「生物多様性への影響は役所の調査だけでなく、民間の自主調査も合わせて評価すべき」などの意見が出された。
(岡田幹治・ジャーナリスト、2019年10月25日号)